小学校への入学に向けた準備のなかでも、ランドセルは大きな買い物となります。6年間という短くない期間使用するため、せっかくであればお子さまに気に入ってもらえるものを購入したいところです。それと同時に、ランドセルを誰が買うのかという点も検討しなくてなりません。
ランドセルは、ご両親が買ってあげるほか、祖父母に購入をお願いするという選択肢も考えられます。お子さまの意見や好みを尊重するためにも、購入者は早めに決めておくのがベターです。
今回は、進学を控えたお子さまのランドセルは一般的に誰が買うのか、祖父母に購入をお願いしたときにはどのように相談すればよいのかを解説します。
この記事でわかること
・ランドセルの購入者として祖父母が多い理由
・双方の祖父母から購入の申し出があったときの対応
・祖父母にランドセルの購入をお願いするときの注意点
ランドセルは祖父母が買うことが多い
お子さまのランドセルは、ご両親よりも祖父母が購入するパターンのほうが多い傾向にあります。一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会の調査によると、2024年度に入学するお子さまのランドセル購入者として、「父方もしくは母方の祖父母」を挙げたご家庭は54.8%でした。一方、ご両親で購入したという回答は42.5%となっています。
このデータから、新入学児童の2人に1人以上が祖父母にランドセルを買ってもらっていることがわかります。ただし、近年のランドセルはカラー・デザインのバリエーションが豊富なため、男女ともにお子さま自身の好みで選ぶケースが多く、祖父母が購入するランドセルの決定まで行うことは稀です。
同調査によれば、購入したランドセルの決定者として8割が本人(お子さま自身)であることもわかっています。なお、お子さまに判断をすべて任せるとデザイン面がメインになりやすいため、両親による事前の情報収集も欠かせません。インターネットやカタログ、展示会などで情報を集めてメーカーを絞り、そのなかからお子さまが好きなデザインを決定、祖父母がお金を出して購入という流れが一般的です。
実際に池田屋の店頭でも、ご両親が代引きで祖父母の家にランドセルを送付するなど、祖父母があとからお金だけ支払うケースが増えており、店頭に祖父母だけで訪れてランドセルを選ぶような光景は減ってきています。
祖父母が買うことが多い理由
祖父母がランドセルを購入する主な理由として、入学祝いがしたい、金銭的な援助がしたいという2点があります。
入学祝いがしたい
お子さまのランドセルを祖父母が購入する理由の一つに、「小学校の入学祝いとして贈りたい」というお祝いの気持ちが挙げられます。孫の喜ぶ姿を見たい、入学という孫の成長を実感できるイベントに参加したいなどの理由も考えられるでしょう。
ランドセルは小学校生活の6年間ほとんど毎日使うものであり、自分が贈ったプレゼントを長いあいだ使ってもらいたいという思いもあります。
金銭的な援助をしたい
先述したランドセル工業会による調査では、ランドセルの購入金額帯でもっとも多いのは65,000円以上の37.6%、次いで55,000円~64,999円が22.5%、購入金額の全体平均は59,138円という結果が出ています。
お子さまが小学校に入学するタイミングでは、学用品や教材など、さまざまなものを購入する必要がありますが、これらに加えてランドセルの購入費用もかかるとなると、ご両親の負担が大きくなってしまうため、金銭的な援助を目的に祖父母がランドセルを購入するケースも珍しくありません。その際は、祖父母から援助を申し出ることもあれば、ご両親から祖父母に購入をお願いする場合もあります。
ただし誰が買うかの決まりはない
ランドセルは祖父母が購入するケースが多いものの、誰が買うかに正解や決まりはありません。
ランドセルの予約開始時期はメーカーによって異なり、人気モデルはすぐに売り切れてしまう場合もあります。お目当ての商品を確実に手に入れるために、発売からすぐにご両親が購入するのも一つの方法です。
ランドセルを誰が買うかに関するよくある疑問
祖父母がランドセルを購入する場合でも、母方・父方どちらに買ってもらうのが一般的なのか、両家から申し入れがあったらどう対応すべきかなど、疑問は尽きません。ここからは、ランドセルの購入者に関するよくある疑問を解説します。
母方・父方どちらの祖父母が購入することが多い?
母方・父方どちらの祖父母がランドセルを買うのかは、ご両親と祖父母との関係性などによって異なり、明確なルールはありません。先述したランドセル工業会の調査によると、母方よりも父方の祖父母が買う割合のほうが0.7%高くなっているものの、その差はわずかです。
引用:ランドセル購入に関する調査 2024年|一般社団法人日本カバン協会ランドセル工業会
女の子・男の子で誰が買うかは変わる?
お子さまの性別が、ランドセルの購入者を決定づけることは基本的にありません。ただし、お子さまの性格によって、購入するランドセルの決定者(お子さま本人が決めるかご両親が決めるか)は変わる可能性があります。
自分の好みをあまり主張しないお子さまの場合は、ご両親でランドセルを選定することになるでしょう。
両家の祖父母から購入の申し入れがあった場合どうする?
両家の祖父母からランドセルを購入したいと申し入れがあったとき、どちらか一方の意思だけを優先してしまうと、もう一方の祖父母と折り合いが悪くなりかねません。双方の気持ちを受け取りつつ、関係性を良好に保つには、以下の解決法を検討してみてください。
【どちらかに学習机などの代替品を購入してもらう】
片方にランドセルの購入をお願いし、もう一方には、進学にあたって必要なランドセル以外のものを購入してもらう方法です。ランドセルの代替品としては、次のようなものが考えられます。
- 学習机と椅子
- 制服
- 入学式用の服
- 教科書
- 自転車
- その他の学用品(文房具や通学用品など)
【双方にランドセルの購入資金をもらう】
双方の祖父母にお金を出し合ってもらい、ランドセルを購入するという解決策もあります。一般的な購入方法ではありませんが、双方の納得を得られそうであれば検討してもよいでしょう。双方から同じ金額をランドセル代としていただくことで、お祝いの気持ちを公平に受け取れます。
ランドセルの購入を祖父母にお願いする場合の注意点
お子さまが小学校へ進学するときは、学習机や椅子、学校で必要な用具の準備など、何かと出費がかさみます。そのため、ご両親から祖父母へランドセルの購入をお願いするケースもあるでしょう。母方・父方のどちらの祖父母にお願いするのかよく話し合い、両家の納得を得ておくことが大切です。
ここでは、祖父母にランドセルの購入をお願いしたい場合の注意点を3つ紹介します。
年長の4月までにランドセルの購入をお願いする
ランドセルの購入時期としてもっとも多いのは、年長さんの5月頃です。以降は売り切れる可能性もあり、その場合は選択肢が減ってしまいます。ご家族やお子さまの希望にぴったりのランドセルを手に入れるためには、年長さんになった年の4月までに祖父母へ購入をお願いしておきましょう。
相談が遅れると、祖父母がサプライズでランドセルを決定・購入してしまう可能性もあります。気持ちはうれしくとも、お子さまの好みのランドセルではなかった場合、実際に使ってもらえないなどの事態にもなりかねません。可能であれば、年中さんのうちに祖父母とランドセルの購入について一度話しておくことをおすすめします。
ランドセルの購入タイミングについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
ランドセルはいつ買うのがいい?希望別の購入時期と販売スケジュールを解説
子どもの意見を尊重する
祖父母にランドセルの購入をお願いするとしても、お子さまの意見を第一に尊重してあげてください。ランドセルはお子さまが6年間使い続けるものとなるため、本人が気に入って使えるかどうかが重要です。
近年はカラー・デザインのバリエーションが豊富にあり、性別に関係なく使える「ジェンダーレスランドセル」を取り扱うメーカーも増えてきました。祖父母の感覚からすると、赤や黒以外のランドセルは新鮮で、手に取りにくいものかもしれません。
しかし、現在は「自分の意志で好きなものを選べる」ことがスタンダードであることを伝え、お子さまが心から気に入ったランドセルを購入してもらいましょう。
両親がリサーチして決めたものを購入してもらう
ランドセルは見た目だけでなく、背負いやすさや蒸れにくさといった機能面にもメーカーのこだわりが詰まっています。デザイン・カラー・機能性・品質・メーカーなど、確認するポイントが多い分、祖父母にランドセル選びを任せきりにするのは負担が大きいかもしれません。また、お子さまの希望を事前に伝えておかなかった場合、受け取ったランドセルを喜んでもらえない可能性もあります。
そのため、ご両親がお子さまの好み、体格に合ったランドセルをリサーチしておき、購入してほしいものを祖父母に伝える形がよいでしょう。あるいは、先にランドセル代だけいただいて、ご両親がお子さまの希望に合う商品を買う方法もあります。
どちらのパターンで購入するにしても、ご両親と祖父母との連携は欠かせません。すれ違いによるトラブルを防ぐためにも、早めに購入計画を相談しておきましょう。
失敗しないランドセルの選び方|チェックするポイントと選定の流れ
ランドセルを誰が買うかは相談して決めよう
お子さまのランドセルは、ご両親より祖父母に購入してもらうご家庭が多い傾向にありますが、実際は誰が買っても問題ありません。大切なのは、認識のすれ違いがないよう祖父母とよく話し合ったうえで、お子さまの意思を尊重することです。
双方の祖父母から購入の申し入れがあった場合は、対応方法に注意します。誰が何を買うのか曖昧にしたままでは、不満が残る結果となりかねないため、一方にはランドセルの代わりに学習机や自転車を買ってもらうなどの解決策を検討しましょう。
祖父母にランドセルの購入をお願いする場合、お子さまの希望をふまえた商品を事前に共有することで、全員が納得できるプレゼントになります。ご家族間のコミュニケーションを密にして、お子さまがお気に入りのランドセルとともに笑顔で入学式を迎えられるよう、準備を進めてみてください。