ランドセルの一般的な相場は5〜7万円台と、決して安くありません。
経済的な理由で学用品の購入が難しい方を対象に、自治体が「就学援助制度」という補助金制度を設けています。
今回はランドセル購入時に利用できる「就学援助制度」の対象者や条件、申請方法などについて詳しく解説します。
ランドセルの値段の相場はいくら?価格帯ごとの特徴・選定ポイントを解説
この記事でわかること
- 就学援助制度の概要
- 就学援助制度の申し込み方法
- 就学援助制度活用の相談先
ランドセルの購入に補助金は活用できる?
ランドセルの購入には、「就学援助制度」と呼ばれる補助金制度を利用できる場合があります。就学援助制度とは、経済的な理由で、学校で使う必要品や給食費などの支払いが難しい方を対象に、必要な費用の一部を援助する制度です。
この制度は全国の自治体で実施されていますが、対象者や補助額など、詳細は自治体ごとに異なります。今回は具体例として、静岡県静岡市の令和6年(2024年)度の就学援助制度を紹介します。
■静岡市の就学援助制度:入学準備金(ランドセル等の購入費用に対する支援)について
補助額 | 57,060円(令和6年度の支給予定額) |
対象者 |
静岡市にお住まいで、公立小学校に通うお子様がいる保護者のうち、下記に該当する方
経済的にお困りの状況にあり、同居する家族全員の年間収入の合計額から社会保険料等を引いた額が、市が定める認定基準以下の方 (※詳細は、のちほど説明します) |
支給条件 | 申請期限までに申請を行い、認定を受けること |
申請方法 | 必要書類をそろえて、お子様が通われる小学校へ提出する |
※出典元:就学援助制度について|静岡市教育委員会
補助額
静岡市の令和6年度入学者を対象とした就学援助制度では、ランドセルの購入者に対して、入学準備金として57,060円の補助金が支給されました。支給のタイミングは、入学前に申請して認定を受けた場合、令和6年2月に支給されています。
ただし、令和7年度入学者を対象とした補助額などについてはいまのところ未発表です。詳細は、就学時健康診断の際に、小学校から配布されるお知らせで確認できます。
また、補助額はあくまでも予定額となるので、実際の支給額が変わる可能性もあります。詳しく知りたい方は、事前に自治体の公式情報を確認しておくとスムーズです。
対象者
静岡市で就学援助制度の対象となるのは、静岡市にお住まいで、公立の小学校に通うお子様を持つ、経済的に困難な状況にある保護者です。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
- 経済的に困っている
一緒に暮らしている家族全員の年収の合計額から社会保険料等を引いた額が、静岡市の定める認定基準以下である場合
※「一緒に暮らしている家族」には、世帯分離している家族も含めます(住民票の世帯を分けていても、同じ屋根の下で暮らしている場合は「一緒に暮らしている家族」に該当するため、年収の合計額に含めてください)。
※「年収の合計額」には、手当(児童扶養・障害者関係)、別に暮らしている親族からの援助、養育費、単身赴任中の保護者の収入、その他手当金等も含みます。
【認定基準となる年収の目安】
※下記の金額は目安です。基準値以内でも認定されない場合や、基準値以上でも認定される場合があります。
画像引用:就学援助制度のお知らせ|令和6年7月~申請用|静岡市教育委員会
なお、就学援助制度自体は生活保護を受けている方も対象ですが、入学準備金(ランドセルの購入費用の支援)については支給対象ではありません。別途、生活保護費から支給されます。
支給条件
ランドセルの購入費用に関する支援は、就学援助制度の「入学準備金」に当たります。
入学の準備にかかる費用の支援となるため、令和6年度の対象者は入学前か入学後の4月末日までに申請し、認定を受ける必要がありました。
一方、令和7年度入学者の申請時期については、2024年8月時点では未発表となっています。詳細は、就学時健康診断の際に「入学準備金入学前支給のお知らせ」が、小学校で配布される予定です。
申請方法
就学援助制度の申請は、以下の手順に沿って進めます。
- 小学校で配布している専用の申請書を受け取る
- 申請に必要な書類をそろえる
- お子様の通学予定・通学する小学校へ申請
なお、兄弟姉妹が別々の小学校に在学する場合は、学校ごとに申請が必要です。申請の際は、以下の書類をご準備ください。
■申請に必要な書類
- 申請書
- 口座振込依頼書
また、下記の条件に当てはまる場合は、上記の書類に加えて、別途書類の提出が必要になる場合があります。ただし、生活保護を受けている方は、追加書類の提出は不要です。
該当するケース | 必要書類 |
令和6年1月1日に静岡市に住民票がない | 令和6年1月1日時点の住民登録地で発行される「令和6年度市民税・県民税課税証明書」など、収入額と所得額を確認できるもの |
手当や年金等を受給している(失業手当、遺族年金など) | 「雇用保険受給資格者票の写し」「支払通知書の写し」など、審査対象期間の受給額が確認できるもの |
家族に確定申告義務のない19歳以上の方がいる(無収入など) | 令和6年度市民税・県民税の申告の控えの写し |
別居中の配偶者がいる(単身赴任など) | 配偶者の住民登録地で発行される「令和6年度市民税・県民税課税証明書」など、収入額と所得額を確認できるもの |
離婚調停中である | 「調停申立書」「訴状の写し」など、離婚調停中であることを証明できるもの |
生計を分けている同住所の方がいる(2世帯住宅など) | 同年同月における各世帯名義の光熱費の請求書など、生計が別であることを証明できるもの |
審査対象期間の状況と、現在の収入状況が変わった(大幅な減収など) | 直近3ヶ月分の収入が確認できるもの |
※令和6年度の就学援助制度における必要書類
就学援助制度の活用はどこに相談すればいい?
就学援助制度は自治体ごとに詳細が異なるので、分からないことがある場合は、各自治体の公式ホームページに記載されている問い合わせ先へ連絡しましょう。
その際は、検索サイトで「お住まいの地域 + 就学支援制度」と検索すると、関連情報が出てきます。基本的には、お子様が通学予定・通学する小学校か、お住まいの市町村窓口のいずれかに相談する流れです。
例えば、静岡市では「教育委員会事務局 教育局 児童生徒支援課 就学援助係」にて、電話やメールで問い合わせを受け付けています。
※静岡市の場合
画像引用:就学援助制度について|静岡市教育委員会
まとめ
ランドセルは5万円〜7万円ほどが相場で、決して安くはありません。就学援助制度を利用できれば、経済的な負担を軽減できます。
受給には条件や期限があり、書類の提出も必要です。認定基準や申請方法も自治体によって異なるので、申請をお考えの方は、お住まいの地域の自治体が発表する公式情報をあらかじめ確認しておきましょう。