クラリーノは世界初の人工皮革で、ランドセルやスポーツ用品、靴などさまざまなシーンで活用されている素材です。クラリーノがどんな素材なのか、天然皮革と比べてどんな特長があるのか気になる方も多いのではないでしょうか?
今回はクラリーノの特長と主な用途、種類に加えて、天然皮革との違いをご説明します。
【この記事で分かること】
・クラリーノの特長
・クラリーノの主な用途
・クラリーノと天然皮革の違い
クラリーノとはどんな素材?
クラリーノは、株式会社クラレが1964年に開発した世界初の人工皮革です。
スポーツ用品やファッション小物など、いろいろな場面で使われている素材です。丈夫で扱いやすいので、最近では天然皮革に代わる定番素材として多くのランドセルに採用されています。
ここではそんなクラリーノの特長や天然皮革との違いについてご紹介します。
クラリーノの特長
クラリーノは軽くて丈夫なうえに水にも強い素材です。さらに合成繊維をからめた薄い不織布を何層にも重ねて作ることで、本物の革のように破れにくく、丈夫な構造になっています。
クラリーノ製のランドセルは本革製よりも軽く、お子様の体への負担が少ないのも魅力です。素材の表面にはポリウレタン樹脂で特別なコーティングが施されているので、雨に濡れてもはじきやすく、中まで水がしみ込みにくくなっています。
お手入れも簡単で、汚れたらサッと拭くだけできれいになります。
クラリーノの主な用途
最近のランドセルは、約70%がクラリーノで作られていると言われています。またランドセル以外にも、クラリーノは身近なところで活用されています。
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たとえばスポーツ用品では、ボールやグローブ、シューズなどに使われています。クラリーノは柔らかくて丈夫なので、激しい動きにも対応できるスポーツアイテムにぴったりなんです。
インテリアではソファやベッドの張り地として使われていますし、手帳やペンケース、キーホルダーなどの雑貨でもクラリーノ製のアイテムがあります。
さらに靴やバッグといったファッション小物から産業資材、装飾用の素材など、クラリーノが使われている場面はさまざまです。
クラリーノと天然皮革の違い
クラリーノと天然皮革の主な違いは「耐久性」「耐水性」「軽さ」の3つです。分かりやすく表にまとめると、次のようになります。
クラリーノ | 牛革 | |
耐久性 | 〇 | ◎ |
耐水性 | ◎ | 〇 |
軽さ | ◎ | 〇 |
耐久性では本革(牛革)が優れていますが、水への強さや軽さではクラリーノのほうが優れています。
特に本革は水に弱く、濡れるとシミやカビの原因になることがあるので、定期的なお手入れが欠かせません。水をはじく力が強いクラリーノなら、雨の日でもお手入れが簡単です。
また、同じサイズのランドセルでも、クラリーノ製のほうが本革製より150〜300gほど軽いのも特徴です。6年間毎日通学で背負うランドセルを少しでも軽くしたいなら、クラリーノがおすすめですよ。
それぞれ風合いや質感が違うので、本革の深みのある味わいが好きな方もいれば、クラリーノの扱いやすさを選ぶ方もいます。それぞれの良さを知って、お子様に合った素材を選んでみてくださいね。
クラリーノとほかの人工皮革との違い
ランドセルに使われる人工皮革には、クラリーノ以外にもいくつか種類があります。
- ベルバイオ(製造元:株式会社FILWEL)
- コードレ、タフガード(製造元:帝人コードレ株式会社)
- エクセーヌクラッセ、エヌアール(製造元:東レ株式会社)など
種類ごとに違いはあるものの、同じ素材でも表面の仕上げ方で性能が大きく変わるので、「この素材の特長はこう」と一概に説明するのは難しいです。
たとえば、ベルバイオは軽くて柔らかいと言われていますが、表面の加工次第では、重みがあってしっかりした風合いにもできます。
その素材がどのような特性を持っているのかは、都度確認するのがおすすめです。メーカーのホームページで詳しい説明を読んだり、実際に商品を手に取って質感や触り心地をチェックしたりしてみてくださいね。
クラリーノの種類
クラリーノはランドセルで人気の素材ですが、その種類はひとつだけではないんです。
ベースとして6つの種類があり、2022年の春には「クラリーノロベニカ」という新素材も仲間入りしました。ここでは、7種類のクラリーノがどのような素材なのかをご紹介します。
クラリーノ
普段「クラリーノ」として親しまれている基本的な素材です。このシリーズの出発点となった人工皮革で、ほかの素材と比べて軽いのが特長です。
クラリーノリピュート
クラリーノリピュートは、高級感あふれる見た目が特長の素材です。本物の革のようなしなやかさと、メタリック調の輝きを兼ね備えています。
クラリーノエフ
クラリーノエフは、通常のクラリーノよりも本革に近い質感をもった素材です。ほかにも、水をはじく力を高めた「クラリーノレインガード」という種類もあります。
クラリーノレミニカ
クラリーノレミニカは、傷に強く耐久性が高い素材です。表面を特別なウレタン層でコーティングしているので、鋭いもので引っかいても傷がつきにくく、丈夫な仕上がりになっています。
クラリーノタフロック
クラリーノタフロックは、クラリーノシリーズのなかでも特に丈夫な素材です。表面にナイロン繊維を織り込むことで、クラリーノレミニカ以上の強さを持ち、ハードな使い方にも耐えられる頑丈さがあります。
クラリーノタフロックNEO
クラリーノタフロックNEOは、タフロックをさらに進化させた素材です。タフロックの丈夫さはそのままに、しなやかさと心地よい手触りが加わりました。
クラリーノロベニカ
クラリーノロベニカは、2022年に開発された新しい素材で、これまで紹介した6種類とは異なる特長があります。
引き裂きに強く、超極細繊維のマイクロファイバーを使うことで、ほかのクラリーノと比べて約2倍の強度が特長です。
さらに通気性が良く、本物の革のようなしっとりした手触りなので、ランドセルの背あて部分によく使用されています。
クラリーノ製ランドセルの魅力とは?
クラリーノ製のランドセルが選ばれる理由は、何といっても素材の優れた性能にあります。軽くて丈夫なので、毎日使うランドセルにぴったりです。
小学校低学年のお子様の体格を考えると、ランドセルの軽さはとても大切です。教科書や体操着、お道具箱などを入れることを考えると、かなり重たくなりますよね。
「軽いランドセルにしてよかった」という声もよく聞きますが、クラリーノ製のランドセルはそうした負担を少しでも軽くできるので、親御さんからも人気があります。
さらに、本革製と比べて価格が安いモデルが多いのも魅力です。人工皮革は大量生産に向いているので、高品質でありながらも手に取りやすい価格となっています。
ただ本革製と比べると、クラリーノ製の耐久性が気になる方も多いかもしれません。池田屋のクラリーノ製ランドセルは、肩ベルトなど強さが必要な部分に本革を取り入れているからとても丈夫。
使いやすさと高い耐久性をしっかり両立していて、モデルごとに性能の差もありません。どれを選んでも安心して使い続けられますよ。
>>クラリーノのランドセルを選ぶと後悔する?特徴とチェックポイントを紹介
まとめ
クラリーノは、株式会社クラレが作っている人工皮革のひとつです。天然皮革に代わる素材として、ランドセルに多く使われています。軽くて水に強いのはもちろんのこと、価格が手ごろなのもクラリーノの魅力です。
ランドセルを選ぶとき、「クラリーノにしようか、それともベルバイオ?」「牛革やコードバンはどうかな?」と迷う方も多いかもしれません。
池田屋のランドセルなら、人工皮革のランドセルでも、強度が必要な肩ベルトには牛革を使って丈夫に作られているのでご安心いただけます。
また、超軽量モデル以外は、どの素材を選んでも性能に差がないのも特徴です。だからこそお子様の好きなカラーやデザイン、実際に背負ったときのフィット感を大事にしながら選んであげてくださいね。